大動脈瘤の検査―喫煙歴がある65~75歳の男性 [USPSTF2019]

腹部大動脈瘤

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内科医の3Dナカノです。今日はUSPSTFから2019年12月に推奨が出た、100本以上喫煙したことがある65~75歳の男性で、大動脈瘤の腹部超音波検査を1回してみましょうというお話です

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本日の結論:

喫煙したことがある65~75歳の男性で、大動脈瘤の腹部超音波検査を1回してみましょう

結論のもとになったUSPSTF推奨:

喫煙したことがある65~75歳の男性で、

腹部大動脈瘤の検査を1回おこなう(推奨度B)

USPSTF

言葉の解説をします

喫煙をしたことがあるというのは、

通常100本(5箱)以上、煙草を吸ったことがあることをいいます

腹部大動脈瘤とは、

大動脈という本来2~3cmの太さの血管が、生活習慣病や遺伝などの影響で4~6cmに膨張する病気です。通常痛みは伴わず検査するまで気づかれることはありません。ひとによってまちまちですが平均で毎年0.3〜0.4cmずつ大きくなって、5.5cm以上になると破裂するリスクが高いと考えられています。破裂すると激しい痛みを伴い、出血に伴う血圧の低下でその場で即死に近い状況になるケースもあります

腹部大動脈瘤のスクリーニング検査は、

腹部超音波検査が推奨されています

  • 利点は、被爆しないこと・腹部の動脈瘤の診断の精度が高いこと
  • 欠点は、胸部の動脈瘤の診断がつかないこと

です。通常破裂が疑われる緊急性が高い場合には、CTで検査をすることが多いと思います

腹部大動脈瘤が見つかった場合には、

腹部大動脈瘤が見つかった場合には、

  • 血管外科・心臓血管外科などに受診して、
  • 手術が必要かどうかの相談をしていただくことになります

その際には大動脈瘤の大きさ・破裂する危険性・手術することによる死亡率などを、考慮に入れる必要があります

まとめ:

人生で100本以上喫煙したことがある65~75歳の男性で、大動脈瘤の腹部超音波検査を1回してみましょうというお話はいかがでしたでしょうか。
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この記事を書いた人

卒後15〜20年の病院内科医のナカノです。資格は医師・総合内科専門医・リウマチ専門医・アレルギー専門医(内科)・博士(医学)です。現在はアメリカのワシントンDC郊外の研究所で研究者として働いてます。
暮らしに役立つ知恵や皆さんの健康に寄与する情報を発信していければと考えています。

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