[USPSTF]による健康診断の推奨について

健康診断

今日は内科医3Dナカノが千葉県の基幹病院の総合診療科で後期研修をしたときに教わった推奨が情報源です。アメリカのUSPSTFという組織がアメリカ医師会雑誌(JAMA)上に定期的にコストと実益に見合った予防医学の推奨を出しています。
ガチ勢の内科医だけの知識にしておくには勿体ないと思ったので、日本人の方向けに注釈をつけて皆さんに共有させていただきます

目次

本日の結論:

  • USPSTFのA/B推奨を参考にして賢く病気を予防しましょう!
  • 推奨度AとBが一番読む価値が大きい推奨です
  • アメリカの推奨を日本でどう解釈して使用するかは少しトリッキーです
  • 当Blogでは新しく推奨が更新され次第、日本での使い方の例を挙げながら解説します

USPSTF(U.S. Preventive Services Task Force)は日本語にすると米国予防医療作業部会です。アメリカの保健福祉省(日本の厚労省相当)の一部署であるAHRQ(米国医療研究品質調査機構)が主体になってA/B/C/D/Iの推奨を出していて、主にA/Bが読み込む価値が高いです
健康と経済(コスパ)への影響を科学的に評価し、定期的にアップデートされるので病院内科医界隈では好評です

推奨度の基準を引用し、翻訳しました

A:USPSTFは確証をもって明らかな有益性があると認め、推奨する

B:USPSTFは確証をもって中等度の有益性があると認め、推奨する

C:ひとと状況によって有効な場合がある。中~高い確証をもって有益性は小さい

D:USPSTFは中~高い確証をもって害が得られる利益より大きいと認め、推奨しない

I:利益と外の評価をするのに根拠が足りない

USPSTF

なお、人種や生活習慣などによって必ずしもアメリカで有効なガイドラインが日本でそのまま当てはめられない場合があるというのは注意点です

例えば、
  • 日本ではピロリ菌感染者が多いので、胃がん検診はより積極的に考慮する価値がある
  • 日本人は血液サラサラ系のお薬の副作用で吐血や下血しやすいので、より慎重になる必要がある
  • 日本では一部の性行為関連感染症(STI)やHIV感染症の頻度が低いので、検査の積極性が低い

などです
各々の推奨を扱うときには日本でどう考えるべきか、3Dナカノのスタンスをあわせてお伝えします

まとめ:

3Dナカノはリウマチとか膠原病といわれる稀な病気が専門ですが、自分担当の患者さんには1年以内に必要なスクリーニングや情報提供が出来るよう極力つとめています
慣れていない医療の英語は中々読むのに抵抗があるかもしれませんが、可能な限り平易な言葉で最新の医学情報をお届けしたいと思います
USPSTFに新しい推奨が追加され次第、主に小児科産科に限定されない推奨を取り上げていきます。是非コンテンツを健康長寿にお役立てください!

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この記事を書いた人

卒後15〜20年の病院内科医のナカノです。資格は医師・総合内科専門医・リウマチ専門医・アレルギー専門医(内科)・博士(医学)です。現在はアメリカのワシントンDC郊外の研究所で研究者として働いてます。
暮らしに役立つ知恵や皆さんの健康に寄与する情報を発信していければと考えています。

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