内科医の3Dナカノです。今日は前回の骨粗鬆症の診断の続きで、骨粗鬆症の治療の概要についてのお話です
[骨粗鬆症のお話の一覧]
骨粗鬆症診断:USPSTF骨密度測定の推奨
骨粗鬆症治療1:治療の概要 ←この記事
骨粗鬆症治療2:ビスフォスフォネート
骨粗鬆症治療3:プラリア
骨粗鬆症治療4:フォルテオ・テリボン・テリパラチド・テリパラチドの選び方
骨粗鬆症治療5:イベニティ
本日の結論:
骨粗鬆症の診断をされたら、
カルシチュウD3®(市販・2類医薬品)と以下のいずれかの治療薬を処方してもらいましょう!
・ビスフォスフォネート(可能な限り最初はこれから始める)
・プラリア®
・フォルテオ®・テリボン® (テリパラチド)
・イベニティ®
言葉の解説をします
カルシチュウD3®は、
天然型のビタミンDとカルシウムが配合された市販薬です
大まかに言えば骨を作るのに必要な原料をサプリで補うという意味合いです。骨粗鬆症の治療薬の検証(治験)の時にほぼ必ず一緒に投与されている成分なので、カルシチュウD3®なしには治験と同等の効果は出ないと考えられています
カルシチュウD3®がいい理由は、
・天然型ビタミンDが含まれる
・カルシウムも同時に補給できる
からです
日本の処方箋で医療機関から処方できるビタミンDは、腎臓が悪い人向けの活性型ビタミンDです。市販品のカルシチュウD3®に含まれるビタミンDは、国際標準の天然型といわれる活性化をしていないものです
1日1回2錠を噛み砕くか口の中で溶かしてから飲み込んでいただいています
ただし、他の薬との飲み合わせや個別のケース(元々カルシウムが高い・尿路結石など)によっては最適解ではない場合があるので、一度骨粗鬆症治療薬を処方していただいている先生にご相談いただくことをオススメします
ビスフォスフォネートは、
- ボナロン®・フォサマック® (アレンドロン酸)
- ダイドロネル® (エチドロン酸)
- ボノテオ®・リカルボン® (ミノドロン酸)
- アクトネル®・ベネット® (リセドロン酸)
- ボンビバ® (イバンドロン酸)
- リクラスト® (ゾレドロン酸)
などの薬の総称です。(かっこ内は後発(ジェネリック)医薬品の名前です)
ご本人の状況次第ですが最初の骨粗鬆症の治療薬はこの中から選ばれることが殆どだと思います
かなり多様なライナップがあるので別記事で細かい話はさせて下さい
プラリア®とは、
6ヶ月に1回クリニックで皮下注射してもらうタイプの骨粗鬆症薬です
これも詳細は別記事で順次扱います
フォルテオ®・テリボン® (テリパラチド)とは、
毎日or毎週1回(最長24ヶ月間)間皮下注射するタイプの骨粗鬆症薬です
これも詳細は別記事で順次扱います
イベニティ®とは、
1ヶ月に1回(最長12ヶ月間)クリニックで皮下注射してもらうタイプの骨粗鬆症薬です
これも詳細は別記事で順次扱います
骨のメンテナンスは、
- 骨を壊す細胞(破骨細胞)と
- 骨を作る細胞(骨芽細胞)
によって行われています
破骨細胞を止めると骨は丈夫になりますが、しなやかさが失われてしまいます。新陳代謝がないと良い状態は維持できないんですね
骨芽細胞を元気にする薬はここ10年ほどで新しく使えるようになりましたが、1~2年限定でしか使用できないという制約があります
今回出てきたお薬は、
- 破骨細胞を止める薬:ビスフォスフォネート・プラリア®
- 骨芽細胞を元気にする薬:テリパラチド・イベニティ®
に大別されます
骨粗鬆症のお薬はご年齢が高くなるにしたがって骨折のリスクも増えるという性質があるために、中々卒業の時期を見極めるのが難しいです。担当の先生とよくご相談のうえ、検討をお願いします
まとめ:
さて、今回は骨粗鬆症の治療薬の概要を理解して、カルシチュウD3®の購入を検討しよう、というお話はいかがでしたでしょうか。是非コンテンツを健康長寿にお役立てください!
次回は一番基本の治療薬、ビスフォスフォネートを取り上げたいと思います。
[骨粗鬆症のお話の一覧]
骨粗鬆症診断:USPSTF骨密度測定の推奨
骨粗鬆症治療1:治療の概要 ←この記事
骨粗鬆症治療2:ビスフォスフォネート
骨粗鬆症治療3:プラリア
骨粗鬆症治療4:フォルテオ・テリボン・テリパラチド・テリパラチドの選び方
骨粗鬆症治療5:イベニティ
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