慢性腎臓病の生活の注意点 [慢性腎臓病CKD]

生活習慣

内科医の3Dナカノです。今日は腎臓が悪い場合の生活習慣をどうすればよいか、というお話です

[慢性腎臓病CKDのお話の一覧]
腎臓病の診断と意義: 尿検査の解釈慢性腎臓病の診断重要性
腎臓病の注意点:   食事の注意点生活の注意点 ←この記事
腎臓病の治療一般論: 血圧の治療貧血の治療カルシウム・リン
腎臓病の個別の治療: 腎臓が悪くなる特別な原因がある場合
腎代替療法:     なぜ必要か賢い選び方

目次

本日の結論:

慢性腎臓病(CKD)がある場合には、
禁煙と節酒に努め、
毎年のインフルエンザワクチン肺炎球菌ワクチン(eGFR 30以下・5年毎)をオススメします
(カルシウム・リンについては別記事で扱います)

カルシウム(Ca)・リン(P)は、

慢性腎臓病によってカルシウムの不足と、リンの過剰に陥りがちです
なるべくカルシウムを薬で補給することになるのですが、この話題は慢性腎臓病にとって重要なので別記事で扱います

運動・休養は、

安静を強いる必要はないものの、過剰な運動もおすすめできません。肥満を避けるのは重要なので、摂取カロリーと適度な運動でBMI22~23を目安に減量がCKDガイド2012でおすすめされます
一方で、KDIGOの2012年推奨では、心血管疾患がある場合に準じて、週5回・1回30分以上の有酸素運動を推奨されているので参考にしていいと思います

喫煙は、

CKDの進行リスクかつ、がん・CVD・肺の病気の原因になるので、禁煙がおすすめされます
当Blogの喫煙・禁煙に関する記事は以下をご覧ください

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飲酒は、

  • 男性で20~30mL/日(16~24g/日)、
  • 女性で10~20mg/日(8~16g/日)

が適正とされています(CKDガイド2012)
NIAAA(米国立アルコール乱用・依存症研究所)による1杯の定義は、

  • ビール(アルコール度数5%): 約350mL
  • ワイン(アルコール度数12%): 約150mL
  • 蒸留酒(アルコール度数40%): 約45mL

アルコール各18g相当になっていますのでこれとほぼ合致していますね
当Blogの過剰な飲酒に関する記事は以下をご覧ください

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予防接種は、

  • 毎年のインフルエンザワクチン
  • 肺炎球菌ワクチン (G4以上・eGFR 30以下)

が推奨されています。肺炎球菌ワクチンは65歳以上だと市町村からの助成が受けられますが、米国疾病予防管理センターでも慢性腎臓病(KDIGO基準でG4(eGFR30以下))の場合は前倒しして接種を推奨しています。自費でも受ける価値があると思います。肺炎球菌ワクチンはニューモバックス®・プレベナー®とも自費だと10000円前後で接種してもらえるようです

まとめ:

さて、今回の腎臓が悪い場合の生活についてのお話はいかがだったでしょうか。禁煙と節酒、そして適度な運動がオススメですので、興味があれば当Blogの記事をご覧ください。もしワクチンが未だでしたら主治医の先生にお願いしてみてください。是非コンテンツを健康長寿にお役立てください!

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腎臓病の個別の治療: 腎臓が悪くなる特別な原因がある場合
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この記事を書いた人

卒後15〜20年の病院内科医のナカノです。資格は医師・総合内科専門医・リウマチ専門医・アレルギー専門医(内科)・博士(医学)です。現在はアメリカのワシントンDC郊外の研究所で研究者として働いてます。
暮らしに役立つ知恵や皆さんの健康に寄与する情報を発信していければと考えています。

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