内科医の3Dナカノです。今日は骨粗鬆症治療薬のプラリア®ついてのお話です
[骨粗鬆症のお話の一覧]
骨粗鬆症診断:USPSTF骨密度測定の推奨
骨粗鬆症治療1:治療の概要
骨粗鬆症治療2:ビスフォスフォネート
骨粗鬆症治療3:プラリア ←この記事
骨粗鬆症治療4:フォルテオ・テリボン・テリパラチド・テリパラチドの選び方
骨粗鬆症治療5:イベニティ
本日の結論:
プラリア®は6ヶ月に1回、クリニックで皮下注射してもらうお薬で、やや高額です
ビスフォスフォネートが内服困難だったり、効きが不十分の場合にいいかも?
使うときは歯科検診と、デノタス®チュアブルの内服をおすすめします!
プラリア®が向いているひと
・ビスフォスフォネートが(座っていられない・認知症などで)内服できない方
・ビスフォスフォネート使用中に新しく骨折してしまった方
プラリア®が向いていないひと
・別の病気で血中カルシウム値がもともと低い方
・デノタスを飲み忘れてしまう方
・歯の衛生状態がとてもわるい方
・がんの治療のめどがついていない方
プラリア®とは、
RANKLという破骨細胞を元気にする物質を、選択的にブロックする製剤(モノクローナル抗体)です
6ヶ月に1回、クリニックで皮下注射してもらうタイプの骨粗鬆症薬です
1ヶ月あたりに換算すると4700円(の2割負担など)、ということでビスフォスフォネートよりややお値段が高いです。ビスフォスフォネートの内服が困難(座れない・物忘れなど)だったり、効果が不十分な場面で使われることが多いです
プラリア®の副作用は、
- 顎骨壊死
- 非定型骨折
- 低カルシウム血症
などが知られています
顎骨壊死と非定型骨折については、ビスフォスフォネートの記事をご覧になって下さい。このお薬の使用中は定期的な歯科検診と治療を強くオススメします
低カルシウム血症は、
急激に骨を作るのに使ってしまうことで、血中のカルシウムが低くなる状態です。手足や口のしびれや痙攣が見られたり、最悪の場合には不整脈など命に関わることがあります。プラリア®使用中は時々採血でカルシウムに関連する検査をオススメされることになると思います
低カルシウム血症を防ぐために、
プラリア®使用中はカルシチュウD3®と同成分のデノタス®チュアブルを処方してもらうことになると思います。カルシチュウD3®については骨粗鬆症の治療全般の記事をご覧ください
プラリア®中止後は、
何も治療をしないと骨粗鬆症が急激に進行することが知られているので、是非代わりになる治療を主治医の先生と相談してみつけるようにしてください
まとめ:
さて、プラリア®のお話はいかがでしたでしょうか。原則ビスフォスフォネートで対処が困難な骨粗鬆症の次の一手ですが、治療に困るケースではありがたい選択肢になりうるとナカノは考えています。身近に65歳以上の女性がおられたら骨粗鬆症についてお話いただいて、健康長寿にお役立てください!
[骨粗鬆症のお話の一覧]
骨粗鬆症診断:USPSTF骨密度測定の推奨
骨粗鬆症治療1:治療の概要
骨粗鬆症治療2:ビスフォスフォネート
骨粗鬆症治療3:プラリア ←この記事
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骨粗鬆症治療5:イベニティ
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