【2026年版】生物学的製剤まとめ【リウマチ膠原病領域】

内科医の3Dナカノです。2026年春に薬価改定がありました。生物学的製剤・JAK阻害薬など高額なお薬の最新の値段や使い分けなどがある程度わかるように表にまとめました。

目次

TNF-α阻害薬

主に関節リウマチ・脊椎関節炎などで使用される注射薬で、2003年から使用が開始された歴史の長いお薬です。メトトレキサートを併用すると追加の効果が出やすいという特徴があります。他に眼科疾患のぶどう膜炎・消化器内科の炎症性腸疾患などでも使用されます。

一部バイオシミラー(いわゆる後発医薬品)が発売されているものがあり、点滴製剤のインフリキシマブと2週に1回皮下に打つアダリムマブが安くなったのが今年の目玉ではないかと思います。

IL-6阻害薬・CTLA-4・メトトレキサート

主にリウマチで使用されるそのほかの注射薬です。TNF-α阻害薬が使用できないケースなどでIL-6やCTLA-4をターゲットにした治療薬が考慮されます。今年はオレンシアが安くなりました。

JAK阻害薬

2013年に最初のものが登場した低分子化合物のお薬で、飲み薬なのに注射のリウマチ薬と同じかそれ以上に有効性が高いと考えられているものです。未だに3割負担で月の薬価が4万円程度と高額であることと、癌・心筋梗塞・脳梗塞などへの影響が懸念されていることもあり、限られた方に処方している傾向があります。2026年よりTYK2阻害薬のソーティクツが乾癬性関節炎で使えるようになりました。

IL-12/IL-17/IL-23阻害薬

主に脊椎関節炎・強直性脊椎炎の治療だったり、皮膚科の乾癬という皮膚炎の亜型・消化器内科の炎症性腸疾患に対して使われることが多いお薬です。このお薬もTNF阻害薬よりは値段が高い傾向があり、皮膚科や消化器内科の先生と相談しながら慎重に選ぶことを余儀なくされることが多いです。

皮膚科疾患で使われる薬剤(IL-12/23/17以外)

アトピー性皮膚炎・乾癬・掌蹠膿疱症などの皮膚疾患を合併しているときにしばしば薬剤選択で迷うことが多いので、2026年版から皮膚科で使えるお薬のまとめを追加しました。IL-12/IL-17/IL-23阻害薬のページと並べて使うと便利です。

炎症性腸疾患

潰瘍性大腸炎・クローン病などの炎症性腸疾患を合併しているときにしばしば薬剤選択で迷うことが多いので、2026年版から炎症性腸疾患で使えるお薬のまとめを追加しました。エンタイビオ・オンボーなど他科で使わない薬剤や、使用量が大きく異なるリンヴォック、疾患によって使い方が異なっている薬があって興味深いです。

その他(CD-19/CD-20/BLyS/IFN/IL-5/C5a)

CD-20は血管炎・全身性エリテマトーデスなどで使用が可能になった、元々B細胞系のリンパ腫(血液のがん)を治療するのに使用されていた薬です。最近ではCD-19ターゲットのもの、CD-20第二世代のガザイバ、二重特異性T細胞誘導抗体(BiTE:Bispecific T-cell Engager)、CAR-T(カーティー)療法など未来に使えるようになるかもしれないB細胞系の治療が欧米の学会ではしきりに発表されています。2026年はリツキシマブがさらに安くなりました。

BLySとIFNは全身性エリテマトーデス専用のお薬です。ベンリスタは2017年に発売されましたが、最近ステロイドの使用量を減らすのに役に立つのではないかと注目を浴びています。

IL-5阻害薬は元々喘息で使用されていたお薬ですが、好酸球というアレルギーを担当している白血球が暴走する膠原病(好酸球性多発血管炎性肉芽腫症)の重症・難治例で使用されます。値段が恐ろしく高いので、難病申請が通っている方などで使用されます。

C5a受容体阻害薬のタブネオスは胆管消失症候群のニュースが2025年末ごろから出て、今後は使われなくなりそうな流れになっています。

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この記事を書いた人

卒後15〜20年の病院内科医のナカノです。資格は医師・総合内科専門医・リウマチ専門医・アレルギー専門医(内科)・博士(医学)です。2023年までアメリカの国立衛生研究所(NIH)で研究者として働いてました。現在は総合病院の内科医として地域の皆様の健康増進のお手伝いをしています。
暮らしに役立つ知恵や皆さんの健康に寄与する情報を発信していければと考えています。

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